(一時集合場所)
旧震災マニュアルでは一時集合場所として泥亀一丁目公園多目的広場(旧「三井グラウンド」)が指定されていた。ところが、津波浸水ハザードマップを見ると、三井グラウンドはパークシティ内で浸水が最も深い(1m~2m)。
パークシティ内で浸水リスクのないまとまった面積の場所はどこにもない。いったん浸水警報が出れば、それが解除されるまで丸一日掛る。
もし津波の心配がない場合であっても、非常電源がなく、マンション内一斉放送も防災スピーカーの音声も聞こえない。トイレもない三井グラウンドに集まってもどうしようもない。三井グラウンドへの集合が困難な高層階にすむ高齢者も多いだろう。非常電源があり情報収集しやすい管理センターと三井グラウンドとの連絡に人を割ける余裕があるだろうか?
強いて想定するなら、管理センターに近いAB棟間、CD棟間の広場が考えられる。そこなら津波警報がない、または解除後に自治会所有の4つのテントと防災用テント2つを建て、避難生活における重要な情報交換場所となりうる。テントを建てるまでの間は、各棟のピロティーも一時避難場所として考えられるが、震災直後にピロティーの安全性をすみやかに確認できるのか分からない。
各棟の階段入口に面している北側の道路の浸水深さは30cm~1mのエリアとなっており、各棟の南側の盛り土部分は30cm未満若しくは浸水なしとなっている。宮川沿いの一段低くなっている道路と、パークシティ敷地より数十cm低くなっている三井グラウンドは1m~2mとなっていて、津波ハザードマップはパークシティイの内外の地形をよく反映している。
各棟階段入口の浸水深さが30cm~1mであるのに対し、1階住戸の床下高さは1.1mなので、想定上は床上浸水の範囲外である。従って、延焼の恐れがある住戸を除き、各住戸内に留まっていただいた方が、一斉放送で必要な連絡を行うことができる。地震発生直後は、停電復旧後の通電火災を防ぐための措置の呼び掛け、火災が発生した場合の避難先の誘導など、一斉放送の必要性は数えきれない。
(津波の襲来後)
その一斉放送も、いったん津波が襲来したら床下の高さがほとんどない管理センター1階の監視盤や放送盤が浸水して一斉放送ができなくなる。それに変わる情報伝達手段を考えざるを得ない、
今のところ、スマホのLINEのオープンチャット機能以外に適当な手段は見当たらない。地震発生後に管理センターに電話が殺到してその対応でマヒ状態になることを防ぐうえでも、なんらかの代替手段を考えておかなければならない。
(延焼の恐れがある住戸の一時避難先)
延焼の恐れがある住戸の一時避難先としては、同じ棟の中で延焼の恐れがない隣の階段の上方ということになる。
もし浸水警報が出されている場合、最短で1分で津波が平潟湾に到達するケース(房総半島南端沖を震源とする元禄型地震)もあることから、いったん地上に降りてから隣の階段に避難するのか、バルコニーの隔壁板を破って隣の住戸に避難するかの判断に迫られる。
もし実際に火災発生又は延焼した住戸については、津波の恐れが無くなってからいったん管理センター2階やプレイルームに避難いただき、その後、搭載対策本部が地域防災拠点(八景小)、広域避難場所(大火災時、横浜市立大学)、福祉避難所/特別避難場所(ケアプラザ)と連絡を取って避難生活を送る場所を決めることになるだろう。