避難と情報伝達


旧震災マニュアルでは一時集合場所として泥亀一丁目公園多目的広場(旧三井グラウンド)が指定されていた。

ところが、津波浸水ハザードマップを見ると、三井グラウンドはパークシティ内で浸水が最も深い(1m以上2m未満)。パークシティ内で浸水リスクの少ないまとまった面積の場所はどこにもない。いったん浸水警報が出れば、それが解除されるまで丸一日掛る。

 

もし津波の心配がない場合であっても、非常電源がなく、マンション内一斉放送も防災無線放送も聞こえない三井グラウンドに集まってもどうしようもない。三井グラウンドへの集合が困難な居住者も多いだろう。非常電源があり情報収集しやすい管理センターと三井グラウンドとの連絡に人を割ける余裕があるだろうか? 

 

強いて想定するなら、管理センターに司会AB棟間の広場が考えられる。そこなら自治会所有の4つのテントと防災用テント2つを建て、避難生活における重要な情報交換場所となりうる。テントを建てるまでの間は、各棟のピロティーも一時避難場所として考えられるが、震災直後にピロティーの安全性をすみやかに確認できるのか分からない。

 

それよりは延焼や床上浸水の心配がない限り、各住戸内に留まっていただいた方が、一斉放送で必要な連絡を行うことができる。地震発生直後は、停電復旧後の通電火災を防ぐための措置の呼び掛け、火災が発生した場合の避難先の誘導など、一斉放送の必要性は数えきれない。

その一斉放送も、津波が襲来する場合、浸水リスクの大きい管理センター1階の監視盤や放送盤を守ることは容易でない。一斉放送に変わる情報伝達手段を考えざるを得ない、今のところ、スマホのLINEのオープンチャット機能以外に適当な手段は見当たらない。地震発生後に管理センターに電話が殺到してその対応でマヒ状態になることを防ぐうえでも、なんらかの代替手段を考えておかなければならない。

 

延焼や床上浸水の心配がある住戸の一時避難先としては、同じ棟の中の延焼や床上浸水の恐れがない階段の2階以上ということになる。もし実際に延焼したり床上浸水した住戸については、いったん管理センター2階やプレイルームに避難いただき、その後、搭載対策本部が地域防災拠点(八景小)、広域避難場所(大火災時、横浜市立大学)、福祉避難所/特別避難場所(ケアプラザ)と連絡を取って避難生活を送る場所を決めることになるだろう。