(3)住戸内リスクの低減
自身のけがに直結します。できるだけ準備してください。
a)家具の転倒防止
家具の転倒防止は負傷するリスクを減らすのみならず、配線の損傷による通電火災のリスクも減らすことができます。
① 転倒防止金具
壁に金具をネジ止めして家具を固定する方法が最も効果的です。当パークシティでは住戸内の仕切り壁(根太がある箇所)はネジ止めが可能ですが、隣の住戸との間のコンクリート壁はネジ止めを禁止しています。
近年、コンクリート壁に強力に接着する粘着型転倒防止金具が市販されるようになったので、それと他の転倒防止器具と併用する方法があります。
② 箱型スペーサー
箱型スペーサーは転倒防止金具に次いで有効な方法です。それに代わるものとして、空の段ボール箱で天井と家具の間を埋める方法もある程度有効です。
③ 突っ張り棒
突っ張り棒は天井の強度がない箇所では効きません。具体的には下り天井である和室とキッチン(画像1及び2)では突っ張り棒は効きません(画像1及び2)。ダクトの下に突っ張り棒を設置する場合は、厚板を挿入することで強度不足を補えます(画像1、3及び4)。ノックしてカツカツと乾いた音が鳴ればコンクリートで、コンコンと響けば下り天井又はダクトです。
居間・食堂と北側洋室の天井は突っ張り棒が効きますが、それでも震度6強になると突っ張り棒単独では転倒を防止できません。転倒防止マットなど他の家具転倒防止器具と組み合わせるか、壁にねじ止めする金具を用いる必要があります(出典5)。
出典5:商品テスト「家具転倒防止器具の性能」(東京都生活文化局消費生活部生活安全課、2015年3月)
突っ張り棒は家具の手前側よりも壁に近い奥側に設置する方が効果的です(右図 出典6)。
天井が強固な箇所であっても、震度7の場合には突っ張り棒単独では転倒を防止することができません。家具の下端・手前に挿入する家具転倒防止板・マット(ストッパー)と併用するようにしてください。
④ 転倒防止が困難な家具
有効な転倒防止が難しい家具は、少なくとも寝室には置かず、普段滞在しない部屋(タンス部屋)を決めてそこに集めるだけでも安全性が高まります。
また家具する向きについて、就寝している人に向かって倒れたり、脱出を妨げたりする方向に設置しないようにしてください。
このほか、重いものは収納家具の高いところに収納しないようにしてください、さらに、家具から収納物が飛出さないよう開き扉を固定する器具を利用すれば、より安心です。
b)ガラス飛散防止
窓ガラス、並びに、食器棚や飾り棚のガラス戸に飛散防止フィルムを張るようにしましょう。窓ガラスの飛散防止フィルムは風害によるガラス飛散防止にも有効です。飛散防止フィルムをきれいに貼るにはコツと経験が必要ですが、最近は貼り直し可能な飛散防止フィルムが市販されています。
ガラスが飛散した場合、足元のケガ防止用にスリッパと懐中電灯の置き場を工夫しましょう。
吊り下げ型照明器具は震災時に激しく揺れて破損するので、天井直付け型に買い替えましょう。